任天堂株式会社が開発・販売する「スプラトゥーン3」は本日6月12日にアップデートプログラムVer.10.0.0が配布される。任天堂株式会社が運営する各Xアカウントでは「スプラトゥーン3」のアップデートに関する情報が公開されているため、本記事では情報を集約する。
アップデート内容簡単まとめ
今回6月12日に公開される「スプラトゥーン3」のアップデートは大きく2点に分かれる。ブキの追加とゲーム性の調整である。
ブキの追加について
Ver.10.0.0の更新アップデートにおいてブキが追加されるのは「スプラトゥーン3」プレイヤーであればうれしい要素であると言える。もちろん完全新規ブキではないが、既存のブキとサブウェポン、スペシャルウェポンの組み合わせを変更したものであったとしても、プレイヤーには好感触であろう。
少々マンネリ気味になっていた「スプラトゥーン3」界隈への刺激になりそうである。
スプラトゥーン公式Xでは新しく追加されるブキについての詳細情報が記載されている。ぜひ、皆さんの目で新しいブキを確認してもらいたい。
ゲームシステムの追加と修正
今回のアップデートVer.10.0.0でBunkaCast編集部が最も注目するのはゲームシステムの追加である。「スプラトゥーン3」は2022年9月9日に発売された約3年前のゲームである。「スプラトゥーン4」を待たずにゲームシステムの追加が行われるのは驚きでもある。
なぜならゲームシステム・ゲーム性の追加をするのであれば「スプラトゥーン4」で仕切り直して行うことや、DLCコンテンツとして販売するという選択肢も任天堂にはあったはずである。しかし、任天堂は無料アップデートという形を選択した。これは非常に興味深い動きである。
Nintendo Switch 2関連の情勢についてはまだ詳細なことはわからない。しかし、BunkaCastでは情報秘匿性や極秘開発の可能性について触れているので記事を紹介する。https://bunkacast.com/2025/06/10/211/
ゲームシステムの追加について
ここではBunkaCast編集部が最も注目するゲームシステムの追加について取り上げたい。
ゲーム内のウデマエ(いわゆるレート・ランクに相当するもの)がS以上のプレイヤーがバンカラマッチチャレンジ(いわゆるレート・ランク戦に相当するゲームモード)をプレイすると新たに「ブキチャレパワー」が計測され、その値が近いプレイヤー同士で対戦マッチング行われるようになるようである。
「ブキチャレパワー」はその名の通りブキごとに計測されるレート数値のようであり、得意なブキで高みを目指すこともできるし、新しく触れるブキで計測を挑み、自身の可能性にチャレンジすることもできるようになるようである。
筆者は実際に「スプラトゥーン3」のプレイヤーであり、まさに「ウデマエS※」で現在バンカラマッチチャレンジに挑んでいるためアップデートを心待ちにするプレイヤーの一人である。
※2025年6月12日時点
「ブキチャレパワー」は非常に革新的なものであると考えることができる。しかし視座を変えると「ブキチャレパワー」の実装は「スプラトゥーン4」まで待ってもよかったのではないか、ということである。つまり新要素を大々的に公開し、実装することがなにを意味するのかを考えていきたい。
筆者の想像
ここからはあくまでも筆者の想像であることをはじめに明記したい。
さて、「ブキチャレパワー」が意味することは2つの可能性を感じさせる。例えば「ファンへの感謝の気持ち」である。これはスプラトゥーン公式Xが明言していることからも、確かにその通りであろう。「ファンへの感謝の気持ちがない」などと筆者が断ずるのはあまりに筆者の驕りであり断ずるものではないと言える。
しかし、さらに視座を変えてみよう。2025年の今、このタイミングで「スプラトゥーン3」に対してアップデートとしてゲームシステムの追加をするということの意味である。今回のアップデートにはゲームプレイに関するバグフィックスとブキの追加、ステージの追加(初代スプラトゥーンに登場したステージ)が含まれる。ブキの追加とステージの追加は極端な話、過去に任天堂がすでに開発していた元となるベースのあるものを再展開しているものであり、当然工数が大きくかかることは想像に難くない。だが、これは「いつもゲームをプレイしてくれるプレイヤーへのお礼」という見方をするのが妥当なアップデートであると考えられる。むしろNintendo Switch 2が発売された今だからこそ、アップデートを実施することで発売から約3年が経過する「スプラトゥーン3」への新規流入や休眠プレイヤーの復帰を狙う素晴らしい戦略であると筆者は考える。
だが、ゲームシステムの追加として「ブキチャレパワー」を追加するのは「スプラトゥーン4」の発売まで待ってもよかったのではないか、という点は筆者にとって気になる点である。そもそもパワー(他のゲームではレートなどで表現される)はゲーム内イベントのフェスやXマッチと呼ばれるゲームモードでは計測が行われるものである。しかし、Xマッチではない、バンカラマッチというモードの中にレートを盛り込んだことに意味があるだろう。これはプレイヤーの目線からすると、非常に新しいことのように映るだろう。
「スプラトゥーン3」のゲームシステムについては公開されていない情報、特にレート周辺については厳しい情報統制が行われていて一般的にはブラックボックスになっている部分である。筆者は内部的にはレートが計測されているような「雰囲気」を実際にプレイをする際に感じ取っていた。「スプラトゥーン3」のマッチングシステムについては明確に公式からの情報が出ていないが、これまでのバンカラマッチは同じウデマエ帯、例えばS帯であればランダムにSの人を抽出し、その中でも非公開レートを調整しているような様子は感じていた。今回の「ブキチャレパワー」というのはこれまで非公開だった内部でマッチングの参考に利用していたレートをプレイヤーが確認できるようにしたのではないか、という見方をすることができるという筆者の拡大解釈的な想像である。
しかし、これは筆者の考えるように拡大解釈ではなかったとしても大きなアップデート内容であることは言うまでもない。
「スプラトゥーンレイダース」が6月10日に発表された。事前告知なしの突然の発表で世間を驚かせた。このゲームは「スプラトゥーンシリーズ」のメインシリーズではなく、スピンオフ作品とすでに任天堂が公式にアナウンスをしているため、「スプラトゥーン4」とは完全に別物だと考えるのがよいだろう。
それであれば「スプラトゥーン4」の情報が全く聞こえてこないのは一体なぜなのか。Nintendo Switch 2が先日発売されたが任天堂が誇る「スーパーマリオ」、「ゼルダの伝説」、「どうぶつの森」など有名なコンテンツの情報が聞こえてこない。これは情報統制が極めて厳格に運用されていることを感じさせる。一方でNintendo Switch 2の発売はハードの発売であり、ハードだけで話題を維持するのも困難であることは事実であろう。
今回の「スプラトゥーンレイダース」はハードの話題を維持するために情報を公開したのかもしれない。そして「スプラトゥーン3」への大型アップデートもNintendo Switch 2への追い風とすることが目的なのかもしれない。もしこの可能性が高いのであれば「スプラトゥーン4」の情報が聞こえてくるのはもっと先、2025年の年末ころ、いや実際には2026年以降の可能性もある。
筆者としては「スプラトゥーン4」へのつなぎとして「スプラトゥーン3」を微調整しながら今後も展開していくのではないか、そんな可能性を感じさせる動きであると考えるここ二日間であった。
しかし、いずれにしても「スプラトゥーン3」をこれからも盛り上げてくれるのはプレイヤーとして拒むこともなければ、むしろ喜んで迎えたいと筆者は考える、と明確に明言して記事を締めたいと思う。
今後の任天堂がリリースする情報に期待したい。
※サムネイル画像はスプラトゥーン公式Xより引用
※本記事の内容は任天堂株式会社が公開する公式情報をもとにBunkaCast編集部が独自に再編集したものです。