Nintendo Switch 2発売後初めての土日を過ぎて

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任天堂株式会社から「Nintendo Switch 2」が2025年6月5日(木)に発売され、ユーザーの手元に届き、初めての週末を終えた。

任天堂株式会社公式Webサイトより引用

すでに多くのプレイヤーがNintendo Switch 2を楽しんでいるようで、YouTubeやTwtichなどのインターネット放送/動画投稿プラットフォームは賑わいを見せている。特に、ローンチタイトルとして発売された「マリオカートワールド」への注目度は高かった。

そこでNintendo Switch 2が発売されたことを記念して、BunkaCastでも任天堂株式会社について簡単に記事として触れることにする。

家庭用ゲーム機としての任天堂ハードとIPコンテンツ

任天堂株式会社はかつては花札の会社、と言われても2025年現在、若年層にはピンとこないだろう。特に小中高生には遠い昔の話題で「花札」とは一体何なのだろうか。そう思う方も多くいることでしょう。

実際、筆者も正直なところ「花札」に触れたことは人生の中でも一度もない。しかし、任天堂の確かなルーツとしては「花札」があることはここで触れておきたい。

簡単な任天堂株式会社の歴史

ここでは簡単に任天堂株式会社について歴史を紐解いてみよう。あくまでも簡単な歴史であり、相当な部分を端折っている。
詳しく気になる人は詳細に調べてみると、その歴史は日本のビデオゲームメーカーとして、さらには玩具メーカーとしての歴史を辿ることができるだろう。

花札からスタートした任天堂は、その後アーケードゲーム業界に参入する。アーケードゲームとはこれまた筆者は触れたことが実はないのだが、Nintendo Switch 2で6月5日に本体と同時発売された「龍が如く0 誓いの場所 Director’s Cut(セガ)」の作中で主人公の桐生一馬が訪れる喫茶店の中でテーブルでプレイできるゲームがあるが、おおむねあんな感じのものだ。

そして任天堂にとって大きな転機であった。アーケードゲーム業界に参入していた任天堂であったが、アメリカの関連会社がアメリカ市場向けに展開したアーケードゲームが船便での輸送であったため、現地に機材が届いたときにはすでに流行が終わってしまっていた。そのため大量の在庫を抱えてしまうという大ピンチがあったのだ。

この時、任天堂のピンチを救ったのが「ゼルダの伝説」の生みの親である宮本茂氏だ。宮本氏にアメリカの在庫をなんとか売り切るためのミッションが課せられたのだが、このピンチの中で誕生したのが「ドンキーコング」だった。当時は現在のように豊富なアニメーションを利用できる時代でもなかったが、宮本氏の独創的なアイデアでこの窮地を見事に救った。

任天堂株式会社公式Webサイトより引用

その後、任天堂はアーケードゲーム業界から家庭用ビデオゲーム機へと舵を切る。これ以降、多くの人が知るような「マリオ」「ドンキーコング」「ゼルダの伝説」などの伝説級のIPコンテンツが続々と登場し、任天堂は時代を作ることとなる。
もちろん、試練もたくさんあった。「星のカービィ」を制作していたHAL研究所の窮状や任天堂株式会社本体の窮状。
しかし、そのたびに任天堂は「新しい体験」をユーザーにもたらし、スペックでの勝負をするのではなく「どのようにユーザーと向き合うのか」をテーマにこれまで家庭用ゲーム機市場でしのぎを削ってきたのではないかと考える。

任天堂がスペック勝負を避けているのではないかと捉えるうがった見方をする人もいる。しかし、筆者はそうは考えない。
なぜなら任天堂が発売してきたゲームハードの特徴は「遊び方をユーザーに委ねる」という点において一貫性があるからだ。
当然、その場しのぎで開発をしているのであれば「スペック勝負を避けた」という批判が正しいのかもしれない。しかし、少なくとも筆者には任天堂が「その場しのぎ」で開発をしてきたとは思えない。
任天堂ハードの独自路線として進みだしたのは「Nintendo 64」の頃からであると筆者は考えている。「Nintendo 64」は3Dのワールドを操作することができるようになり「スーパーマリオ64」や「ゼルダの伝説 時のオカリナ」は筆者の心に残る作品だ。
しかし筆者は3Dのリッチな環境でプレイすることができるようになったことそのものよりも、「Nintendo 64」のコントローラーに特徴があると考える。従来の「スーパーファミコン」までの一般的なコントローラー設計から持ち方すらユーザーやゲームソフトにあった形状に設計を変えたこと。これは現在に至るまで、任天堂が自社ハードにおいて大切にする美学の一つであると考えることができる。
コントローラーの持ち方ひとつとっても任天堂は「ユーザーと正面から向き合っている」のだ。

任天堂株式会社公式Webサイトより引用

その後「Nintendo Game Cube」(以下、GC)へとハードは移り変わる。正直、GCは時代の先取り感があったかもしれない。
特に「ゼルダの伝説 風のタクト」は2017年発売の「ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド」風ななんとなくオープンワールドだった。しかし、グラフィックを急激にトゥーン調にしたことやオープンワールドのために必要なスペックがやや不足していたことが筆者の感じた「時代の先取り感」だったのかもしれない。

時代は流れ、任天堂は「Wii」で一度挽回するが、「WiiU」で再び苦戦を強いられた。特にWiiUタブレットが少々重たいことなど様々な理由があったにせよ、苦戦を強いられた。

しかし、明るい兆しも確かに存在した。それは「Splatoon」であった。従来のシューティング対戦ゲームとは一線を画したインクを塗ってその中をキャラクター(インクリング)がセンプク状態で進み対戦を有利に進めていくことができるという概念は非常に任天堂らしいアイデアであった。

Nintendo Switchのインパクト

そして時は流れ2017年3月、Nintendo Switchが発売された。社会ブームを巻き起こしたといっても過言ではないでしょう。ローンチタイトルの「ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド」は大成功。「ゼルダの伝説の当たり前を見直す」というコンセプトのもと、確かにこれまでに無い「ゼルダの伝説」を筆者も楽しませてもらいました。

「Splatoon2」、「Splatoon3」の成功と「マリオシリーズ」などこれまでの任天堂IPが大きく躍動した家庭用ゲームハードが「Nintendo Switch」だった。

もちろん、これらのゲーム以外にもこの記事の冒頭に紹介した「ユーザーとの向き合い方」という点において任天堂は大変な努力とアイデアを出してきたと筆者は考える。
例えば「Nintendo Switch」はドッグに接続することでテレビやモニターに出力して遊ぶこともできるし、単体で携帯ゲーム機として遊ぶこともできる。
これは秀逸で「おすそわけ通信」やJoyConで手軽にゲームを楽しめるようになったのは家庭用ゲーム機として新しい道を切り拓いたと言っても過言ではないだろう。

特にJoyConで携帯ゲーム機としてプレイできることでテレビを占有しない新しい遊び方や親戚などの集まりの際に小さな子供たちと大人の接点となれること、この点が「Nintendo Switch」がもたらした”ハードスペックに依存しない”新しいゲームの価値観であったと筆者は強く感じる。この記事の中で筆者が「任天堂がスペック競争から降りたわけではなく価値観を提供している」ということの真意はこれである。スペックがあればより美しいゲームグラフィックで楽しめるかもしれない。しかし、スペックやグラフィックと”価値のある遊び方”はこれは両立しないわけではない。筆者もこの点は明確に述べておきたい。一方で、”価値のある遊び方”を提供することができたことに任天堂の価値があり、今後の展開により期待が持てるという視点から筆者は述べていることをきちんと整理をしておきたい。

Nintendo Switch 2の展望

ここまで、端折りながら駆け足で任天堂について述べてきたが「Nintendo Switch 2」がこの先どのように展開されるのかは筆者もいちユーザーとして非常に気になるところである。2025年6月初旬現在まだまだ購入を希望するユーザーのすべてに「Nintendo Switch 2」が行き渡っているわけではないようである。

今後の量産計画に期待であるがまだ発売されて少ししか日数もたっていないし、「Nintendo Switch」での品薄状態が長期にわたって続いたことから任天堂も手をこまねいて見ているわけではないだろうことは期待できる。

「Nintendo Switch 2」がこの後、どのように拡販、そしてソフトのリリースがなされるか期待したいところである。
2025年6月時点では「ドンキーコング バナンザ」や「カービィのエアライダー」などの発売は予告されている。
一方で、「マリオ」、「Splatoon」、「ゼルダの伝説」シリーズについての公式情報はまだ聞こえてこない。
「Nintendo Switch 2」が発表後、比較的すぐに発売日を迎えたことを考慮すると、実は水面下で開発と販売の準備が進んでいるのかもしれないが、任天堂にとって大きなIPコンテンツであるこれらのシリーズだからこそ、丁寧な情報解禁と予告によるユーザーや市場へのPRがなされるのではないかと探ってしまうところもある。

いずれにしても、「Nintendo Switch 2」は発売されてまだ1週間すら経過していないのに、インターネット上では大きな反響の声が上がっていること自体が任天堂にとってはうれしい悲鳴なのかもしれない。

今後の任天堂と「Nintendo Switch 2」からも目が離せない。

※本記事内の画像などは任天堂株式会社公式Webサイトなどから引用しています。

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